オニッサンティーの聖母と額縁

ジョットによって描かれた『オニッサンティーの聖母』の周囲の木枠は、額縁としての新しい機能と形体を有した最初期のものであると考えられています。その絵画は壁面から独立したものです。そしてその絵画の周りを木枠が縁取っています。

これこそ、正真正銘の額縁というものだと、ドイツの美術史家・グリムも指摘しています。彼が言うには、その前段階として、ドゥッチオ・ディ・ブオニンセーニャやチマブーエの祭壇画の枠による囲みは、まだ完全に額縁のような形ではなく、建築物の一部としての仕切り枠といったものだそうです。

ウフィツィ美術館にの三枚の祭壇画の中で、ジョットの聖母像は、最も後に描かれたものです。聖母像の枠の囲みに初めて額縁状の独立した形がもたらされたといいます。これ以降は、絵画は必ず額縁としての枠の囲みが不随するようになったそうです。

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