デューラーの『聖三位一体の礼拝』は、イタリアから帰国後の1511年に、ニュルンベルクの養老施設のためにデューラーが描いたものです。『ランダウア―の祭壇画』と呼ばれています。縦1.35メートル、横1.23メートルの絵画はドイツらしい重厚なタベルナクルの形状をした祭壇額縁に納められているそうです。同時代のイタリアのタベルナクル額縁と比べると、基本的な構造はほぼ同じといえます。ただ、レリーフ彫刻や柱型、上部のルネット部分の彫刻などはどれも緻密であり、そして荘厳な存在感があります。絵画と一体となって、鑑賞者を魅了するものだといえます。祭壇画本体は、裕福な商人だったマテウス・ランダウア―の依頼で描かれたそうです。ウィーン美術史美術館にレプリカの額縁に納まっています。オリジナル額縁は、ニュルンベルクのゲルマン民族博物館に保管されています。